逢瀬を重ね、君を愛す
音を感じるために目を閉じれば、自然と涙があふれてくる。
もう一度目を開け、男の子を見たとき、不意に視線が合った。
「あ、目が覚めたのか」
綺麗なその声で、今まで寝ぼけていた頭が冴える。
同時に、周りの景色を見渡す。
・・・私の部屋じゃない・・・
「ここどこよー!?」
勢い良く体を起こし周りを見渡すが、見慣れた背景はない。
被せてある布団かと思ったものは着物だし
家は木造だし、吹き抜けてるから壁ないし、この部屋自体広すぎでしょ!!!
状況が分からなくなって、混乱していると、さっきの男の子が隣へ座った。
「俺の家。」
さらっと言われた言葉に、硬直した。
「・・・へ?」
「俺の庭にお前が倒れていたんだ。」
そう言って、彼は手に持っていた笛を弄ぶ。
「倒れていた・・・?」
なんで?