逢瀬を重ね、君を愛す



「桜乃ーっ!!」


呼ばれた桜乃は振り返る。


「彩音。走ると危ないわよ」


桜乃を見つけた途端走り出した彩音は桜乃に追い付くと、肩で息をした。


「こっ…今回は…大丈夫…でしたっ…!!」


息も切れ切れになりながらピースサインをつくると、桜乃は苦笑した。


「もう、彩音ったら。これから厨に行くけど…来る?」


「行くっ!!」


元気よく答えた彩音に桜乃は微笑んだ。


「じゃあ行きましょうか。」

「うん、桜乃今日は何作るの?」


ひょこっと桜乃の隣に並んだ彩音が問うと、桜乃は考えた。


「ん~何にしようかな…」


ひらっと1枚の花びらが桜乃の頭に止まる。


「あ…桜…」


桜乃の頭に止まった桜の花びらを取ると、彩音は閃いた様に目が輝いた。


「ねぇ、桜乃っ!!実はね――――」
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