逢瀬を重ね、君を愛す
「あー…だってなぁ……」
不貞腐れた様な態度の薫に清雅は疑問符が浮かぶ。
「何で、清雅と彩音は仲がいいんだよ。」
その言葉に目が点になった。
誰と誰が仲いいと?
「無い、ないっ!彩音とは昨日会ったんだ、帝との方が仲いいに決まってる…」
そう言う途中で薫の顔を見ると、涙目の薫が居た。
なぜ涙目………
「だっ…だってな!彩音に清雅の事呼び捨てするなって言ったのに、結局呼び捨てだし!!お前も呼び捨てだし!!」
心の中でちっせぇー。と思ったのは言わないでおこう。
「呼び方くらい いいじゃないですか」
「いや。ダメ。気にする。」
駄々をこねる薫へため息をついた。
「わがまま。」
「うるせ。」
薫が悪態を着いた時、執務室の扉が開く。
「あ、入って良かった?」
噂をすればなんとやら。
彩音が盆を持って立っていた。