逢瀬を重ね、君を愛す


「いいよ、おいで」


悪態を正し、薫は彩音を招き入れた。


「あのね、2人ともお仕事お疲れ様って事で…はい!!差し入れっ☆」


そう言って彩音が差し出したのはピンク色の桜餅。


「へぇ…綺麗だな。」


感嘆する清雅に誇らしく自慢する彩音。


「でしょ、桜乃に教えて貰ったの。」


料理は彩音がこっちに来て、唯一成長した物だった。


「本当に上手くなったな。」


桜餅を食べながら、薫が誉める。


「えへへ、ありがとうっ!!」


嬉しそうに微笑む彩音を薫が撫でる。

そんな光景を眺めながら、清雅は出された桜餅にかぶりついた。
< 58 / 159 >

この作品をシェア

pagetop