逢瀬を重ね、君を愛す
「………分かった?」
「え、あ…なんとなく……」
そういった彩音に桜乃は大きく息をつく。
「………不覚だわ。」
「そ、そんなっ!!いいと思うよ!?」
「………だって…今まで誰にもバレなかったのにっ!!」
ワッと顔を袖で覆う。
触れてはいけなかったのかと少し後悔しつつも、桜乃に話しかける。
「でも、あたしは羨ましいよ?そんな風に思える人がいて。」
その言葉に桜乃は驚いた様に顔を上げた。
何かを言いたげに見つめてくる。
「な…何…?」
「彩音にもいるじゃない。」
にっこりと笑って桜乃はいった。
「帝が。」