逢瀬を重ね、君を愛す
「大内裏。」
当たり前だろう。と言うような言い方で放たれた言葉は、私を混乱させるには十分だった。
「・・・大内裏・・・?」
御所って・・・あの・・・平安京とかにありそうな?
歴史の教科書に出てくる・・・大内裏?
「御所も分からないのか!?」
そう言った彼を、もう一度冷静に見てみる。
すると、一番目に付くものが目に入った。
・・・服が違う・・・
「・・・無理。理解不明。」
「は?何を言ってるんだ?」
ガクッと膝を突いた私に、彼が慌てて駆け寄る。
「大丈夫か!?」
小さくうなずいたのを確認して、安心したらしい彼は、一息吐いて、真面目な顔で私を見た。