逢瀬を重ね、君を愛す
「で・・・その・・・彩音が着ている物は・・・なんだ?」
「服?」
薫に言われ自分の服を見直すが、特に変わったところはない、普通のブレザーの制服だ。
「・・・普通じゃないの?」
「・・・普通じゃない。脚、出しすぎだ。」
「えー?そうかなぁ・・・」と、もう一度自分のスカートをみる。
別に、普通の長さだ。極度に短くなんかしていないし、見せれる脚でもない。
薫は唐櫃から適当に布を引っ張って来たかと思うと、バサッと彩音に被せた。
「・・・身売りくらいだぞ。足を出すな。」
「身売っ…はーい。」
こんな時代にも居たんだなーと思いつつ、投げられた布で脚を隠す。
全然考え方も違うんだ…
え、"どこ"と比べて…?
「・・・私の時代・・・は!?」
「!? 彩音!?」
彩音は、慌てて外へ出る。その後を薫が慌てて追ってくる。
彩音は、ただ、空を見上げて微動だしなかった。
「・・・彩音?」
呼ばれた声に振り返ると、薫が心配そうにゆっくり近寄ってきた。