逢瀬を重ね、君を愛す


「…俺にも彩音がいつも通りにはみえない」

「薫……」

「彩音」


突き刺さる薫の視線から逃れるようにスッと視線をそらすと重い口を開いた。


「……今日は、失礼します……」


2人の視線から逃げるように部屋を後にする。

そのまま自室に戻らず、彩音は反対方向。


「よし。」


頭から着物を被って屋敷を飛び出した。
< 95 / 159 >

この作品をシェア

pagetop