ビターチョコレート
第二章☆慎一SIDE
「ゲホ…ッ」
季節は春。
なのにどうやら、風邪をひいてしまったらしい。
体調管理ができていないのだと、自分を責める。
「体調管理もクソも無いよ。最近遅くまで仕事してたんだから、体弱ってたんだよ」
朝から仕事の明宏は、俺が寝ている布団の傍で座り、ネクタイを締めながら言った。
俺の脇で『ピピピ』と体温計が鳴る。
自分で体温を確認するが、明宏は『見せて』と手を出してきた。
「38.8度…今日は休みなよ」
明宏はそう言うと、上着を持って立った。
「自分で電話できるよね?」
「…子供扱いすんなよ。出来るちゅうねん」
そう言うと、明宏は笑った。
「じゃあ、俺看病できなくて申し訳ないけど、もう行くね。裕貴はまだ寝てるし…一応書き置きしといたけど、あいつも午後から仕事って言ってた」
「おお、気にすんな。行ってこい」
「じゃあ…行ってきます」
明宏はそう言うと、玄関に向かった。
バタン…
とドアが閉まる音が聞こえると、俺は上司に電話をかけて、そのまま眠りについた。
「……してもらってもいいですか?」
「いいよー。使ってつかって!」
リビングから声が聞こえる…。
俺はオデコに違和感を感じたが、すぐにヒエピタだと分かった。
重い足取りでリビングに向かう。
リビングには、何故か千代子の姿があった。
そして、ソファーには裕貴がコーヒーを飲んでいた。
「…なんでお前がここにおんねん?」
だるくて、壁に手をついてもたれかかりながら言った。
「駄目だよー。慎ちゃん。寝てないと」
裕貴がコーヒーをテーブルに置いて、こちらに近付いてくる。
…なんとなく、コイツが千代子を呼んだのだと、察知した。
「…お前やろ?裕貴。余計な事しやがって」
「えー?なにがあ?」
…コイツ、しらばっくれやがって。
俺は額に手をやり、ハーッとため息をついた。
季節は春。
なのにどうやら、風邪をひいてしまったらしい。
体調管理ができていないのだと、自分を責める。
「体調管理もクソも無いよ。最近遅くまで仕事してたんだから、体弱ってたんだよ」
朝から仕事の明宏は、俺が寝ている布団の傍で座り、ネクタイを締めながら言った。
俺の脇で『ピピピ』と体温計が鳴る。
自分で体温を確認するが、明宏は『見せて』と手を出してきた。
「38.8度…今日は休みなよ」
明宏はそう言うと、上着を持って立った。
「自分で電話できるよね?」
「…子供扱いすんなよ。出来るちゅうねん」
そう言うと、明宏は笑った。
「じゃあ、俺看病できなくて申し訳ないけど、もう行くね。裕貴はまだ寝てるし…一応書き置きしといたけど、あいつも午後から仕事って言ってた」
「おお、気にすんな。行ってこい」
「じゃあ…行ってきます」
明宏はそう言うと、玄関に向かった。
バタン…
とドアが閉まる音が聞こえると、俺は上司に電話をかけて、そのまま眠りについた。
「……してもらってもいいですか?」
「いいよー。使ってつかって!」
リビングから声が聞こえる…。
俺はオデコに違和感を感じたが、すぐにヒエピタだと分かった。
重い足取りでリビングに向かう。
リビングには、何故か千代子の姿があった。
そして、ソファーには裕貴がコーヒーを飲んでいた。
「…なんでお前がここにおんねん?」
だるくて、壁に手をついてもたれかかりながら言った。
「駄目だよー。慎ちゃん。寝てないと」
裕貴がコーヒーをテーブルに置いて、こちらに近付いてくる。
…なんとなく、コイツが千代子を呼んだのだと、察知した。
「…お前やろ?裕貴。余計な事しやがって」
「えー?なにがあ?」
…コイツ、しらばっくれやがって。
俺は額に手をやり、ハーッとため息をついた。