ビターチョコレート
「慎一、部屋に行くぞ」
「ああ…はい。」
言われるがままに、部屋に向かう。
「慎一くんは、とても真面目な警察官だと、評判を聞いてね…
この前、彼の仕事振りを拝見させてもらったんだよ」
と、署長は話す。
適当に相槌を打つ。
「気の弱い、うちの奈々恵にピッタリだと思ったんだよ!」
…気の弱い?おっさん、騙されてんで…
そう思ってると、S女に睨まれた。
…考えてる事は、お見通しかい。
そう思い、目を逸らした。
「後は若いお二人で…」
今時でも、そんな事言うんやな、
と思い署長と親父は部屋を出た。
俺とS女は、部屋に二人っきりになった。
「……おい。」
沈黙を先に破ったのは、俺だった。
「何よ」
「これはどうゆう事やねん?」
俺がそう言うと、S女はこちらを睨んだ。