ビターチョコレート
第三章★千代子SIDE
約束の、次の日曜日。
嬉しいはずなのに、笑顔になれない。
理由はやっぱり――お見合いの事…かな。
慎一さんの家と、私の家の、ちょうど間にあるカフェ。
ここで慎一さんを待つ。
慎一さんを待ってる間も、あの時の…ゆうちゃんの台詞が頭によぎる。
“昔から千代子の事が好きだったんだ”
「なんや?ぶっさいくな顔して」
そう言って、私の顔を覗き込んだのは慎一さんだった。
「え…いえ……」
平静が保てない。
慎一さんの前で、どんな顔したらいいんだろう?
「…千代子」
「はいっ?」
「頼みがあるんやけど」
頼み―――?
慎一さんが…私に?
「はいっ!なんなりと!」
「俺の親父に会ってくれへんか?」
――慎一さんの、お父様に?
それって……
「彼女として、紹介したいねん」
…リーンゴーン
私の脳内では、教会の鐘が鳴った。
「はいっ!喜んで!」
私は笑顔で答えた。
嬉しいはずなのに、笑顔になれない。
理由はやっぱり――お見合いの事…かな。
慎一さんの家と、私の家の、ちょうど間にあるカフェ。
ここで慎一さんを待つ。
慎一さんを待ってる間も、あの時の…ゆうちゃんの台詞が頭によぎる。
“昔から千代子の事が好きだったんだ”
「なんや?ぶっさいくな顔して」
そう言って、私の顔を覗き込んだのは慎一さんだった。
「え…いえ……」
平静が保てない。
慎一さんの前で、どんな顔したらいいんだろう?
「…千代子」
「はいっ?」
「頼みがあるんやけど」
頼み―――?
慎一さんが…私に?
「はいっ!なんなりと!」
「俺の親父に会ってくれへんか?」
――慎一さんの、お父様に?
それって……
「彼女として、紹介したいねん」
…リーンゴーン
私の脳内では、教会の鐘が鳴った。
「はいっ!喜んで!」
私は笑顔で答えた。