ビターチョコレート
しばらく歩くと、綺麗なお家が見えた。


「えっ?ここ…慎一さんの実家ですか?」


「おお。お前の家に比べたら、小さいもんやろ?」


確かに…いや、でもこの辺一帯のお家で、一番大きい。


「今、慎二が実家帰ってきてるからうるさいかもしれんけど」


そう言って家のインターホンを押す慎一さん。


「慣れてます」


慎二くんとは、小学校から仲良しだもん。


「そうか?」


慎一さんがそう言うと、インターホンから声が聞こえてきた。


『あっ!兄貴ー?
親父まだ帰ってきてないけど、入ったらー?』


慎二くんがインターホン越しにそう言う。


「そうか、じゃあ中で待っとくか」


私は頷き、家に入れさせてもらう事にした。


「兄貴ー!久しぶりっ!」


テンションの高い慎二くん。
後ろには由梨ちゃんの姿。


「あ、慎一さん。千代子ちゃん。お久し振りです。」


そう言った由梨ちゃんは、腕に赤ちゃんを抱いていた。


「千代子ちゃんは、初めてだよね?この子、大助っていうの。」


「大助くん、こんにちは」


そう言って挨拶する。大助くんはキョトンとした顔でこちらを見た。
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