ビターチョコレート
「わあーーーん!真知子ちゃーん!!」


私は真知子ちゃんに抱きついた。
真知子ちゃんは何がなんだか分からず、ただ焦っていた。


家のなかから、修司が顔を出して様子を伺っていた。


「え?お見合いに、婚約者?」


私は一部始終を真知子ちゃんと修司に話した。
私はティッシュで鼻水をすすり、また一枚、また一枚とティッシュを取っていく。


「きっと、誰かが仕組んだんだよ!誰かに恨まれてるんだ!可能性はあるよ!だって慎一さんはマフィアの幹部だもん!」


修司は力説する。


「修司くんは黙ってて」


真知子ちゃんがそう言うと、修司は大人しく黙っていた。


「ゆうちゃん…ゆうちゃんって私の幼なじみで、婚約者なんだけどね。昔は何でも相談のってくれたりしてたんだけど、今回は私の話は聞いてくれないの…」


メソメソと話し、真知子ちゃん達も悩んでる模様。


「そうだ、まだ慎一さんを両親に紹介してないんでしょ?もしかして、紹介して気に入られたら、お父さんの方からなんとかしてくれるかもよ!」


「えー…マフィアの幹部を気にいるかなあ…」


……ドスッ!!


鈍い音が鳴り、修司はその場で崩れた。


「ね?チヨちゃん、慎一さんを信じてみようよ!」


「そっか…そうだよね…」


私は頷き、真知子ちゃんと修司の家を後にした。


そうだよね!
慎一さんはあんなに素敵な人だもん!
お父様が気に入らないはずない!


そう思い、ガッツポーズをして、家路に着いた。
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