ビターチョコレート
「スマンな、面倒な事に付き合わして。」
「いいえっ!でも…」
心配そうな表情の千代子。
…コイツはほんま、考えてる事が顔に出んなあ。
「今度、お前の親にも挨拶しに行くわ。」
千代子の家の前に到着し、俺は千代子の頭を撫でた。
「こっちの事は気にすんな。俺がなんとかするから」
まだ心配そうな千代子に手を振って、帰路についた。
「慎一!」
そう呼ばれて振り返ってみると、そこにはS女、奈々恵がいた。
「なんや、さっきの文句言いに来たんか」
トゲのある言い方をすると、S女は俺の足を蹴った。
少し痛がって文句を言おうとした。
「ちょっと、話があるんだけど」
少し、真剣だったその顔に驚いて、頷いた。
さっきの喫茶店に戻り、話を聞く事にした。
「瞳と…長野さん、上手くいってないみたい。」
「え?」
その話は俺にするべきなのだろうか?
と一瞬考えたが、気になっている自分がいるので、その話を詳しく聞く事にした。
「上手くいってないってゆうか・・・まだ付き合ってないんだけど。長野さん、最近…瞳を避けてるみたいで。アンタ、何か聞いてない?」
そういえば、前…長野と、瞳の話をしていた。
俺が話を終わらせたんやけど。