ビターチョコレート

「ここは…」


結婚式場…?
誰かの結婚式かな?


「今日、お前にはお見合いをしてもらう。」


「お見合いっ!?」


私の目は点になった。


まさか…まさかまさか、お見合いだなんて!


私があわわと慌ててるうちに、部屋に案内された。



「こちらのお部屋になります。」


そう言われ、中に入る。


「やあ、遅れてすまないね」


お父様は相手にそう言って中に入った。


「ゆ…ゆうちゃん!?」


「久しぶり、千代子。」


いや…つい最近会ったけど…。


なんで、ゆうちゃんがここに…?
ゆうちゃんの方に座っていたのは、ゆうちゃんの両親だった。


「まあ、千代子ちゃん、綺麗になって…立ってないで座ってね」



ゆうちゃんのお母さんに言われ、ゆうちゃんのまん前に座る事にした。


う、うそ…。お見合いって、もしかして…ゆうちゃんと?



「お、お父様…」


私はお父様に訴えてみるが、お父様は返事をしない。


ゆうちゃんの事は好きだけど…
そんなんじゃないし、




何より、私は慎一さんが好きなのにーーー!!


私の頭はグルグルと円を描いて巡っていた。

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