Dear 最愛の君へ



七成『チッカちゃーん♪
それなら俺とデートしちゃう?』


どこからともなく現れた七成が、チカを後ろから抱きしめる。


千嘉子『マジ~?
いやでもチカ、慧くん派やからやっぱやめとく。』


七成『はぁっ!?
あの仏頂面顔の何処がいいんだよ~?』


千嘉子『ん~あえて言うなら、七成みたいにチャラくないとこ。』


七成『俺、泣きそ。』


「ぷ………ぷははははっ!
七成フラれたーーー!!
あははは(笑)!!」


チカにあっさりフラれて、泣き真似をする七成に我慢仕切れなくなって噴き出すあたしに続けて、みんなが笑いだす。


七成『チカちゃんやなっちゃんまで……。
お前なぁ……!!』


「だ、だってあっさりだったもん(笑)」


七成『ったく……。
てかお前、笑ってる場合かよ?
また慧、1人でチャリ置きまで行かせただろ?
乗せてもらったんなら最後まで、一緒に行けや。
また犬みたいに慧の耳と尻尾垂れてたぞ?』


《犬みたいに耳と尻尾垂れてたぞ》。

これは七成が言う《しゅん》と淋しがってたり、いじけてたぞってこと。

時々七成は慧のことを犬に例える。


あたし的にはよっぽど七成の方が犬に見えるけどね。


……キャンキャンよく吠えるし。





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