Dear 最愛の君へ
「べ、別に……宿題してなかったから先に行っただけだし。」
七成『ふーん。』
「や、何もないし!
そんなジロジロ見んなや……。」
否定の言葉を漏らすがそんな言葉も全て受け流し、七成の大きな瞳は、標準サイズのあたしの瞳を捕らえる。
あたしは…………
情けない弱い心まで見抜かれそうで、
七成の大きくてきれないな瞳に映るのが、瞳の主と比べ物にならない自分なのが悔しくて、醜くくて
昔から、七成にこうやって見つめられるのが大嫌いだ。
『ナナー、おっはよ~!!
なぁ、ちょっと聞いて~?!』
七成『……んー?
何~?どうした~?』
……助かった。
早速教室に入ってくるやいなや声をかけてきた女の子の方へ、あたしからようやく目線を外し、向かって行く七成。
まぁ人気者ですこと。
まぁ女好きですこと。