Dear 最愛の君へ



慧『で、どうした?』


「あ、えーっと……数学の教科書貸してくれへん?」


慧『数学……ちょっと待ってて。』


というとD組の教室へ取りに行く。

そして取り残されたあたしと……用事が終わったはずなのになぜかまだいるお姫様。


叶『あなた、風見 日和ちゃんよね?』


といきなりお姫様……もとい片掘先輩が美しい笑顔であたしに声をかける。

そんな美しい笑顔で微笑まないでほしいな……自分の顔が惨めに思えてくるし……。


って、あれ?


「なんであたしの名前…?」


叶『だって有名だものw
あ、心配しないで!
慧くんとは委員会が一緒でその委員会のことで伝えなきゃいけないことがあったから喋ってただけだから、ね?』


「あ、はい…。」

ほんまこの人、可愛くても嫌味じゃないし優しいからみんなに好かれてんねんやろなー。

この人、確か関東出身やったっけ?
あんま周りにおらんからかな?
関西弁ちゃうから、なんかちょっとペースに飲み込まれそうになるかも。


叶『叶ね、ずっと日和ちゃんと喋ってみたかったの!』


「えぇ!?」


学校1の美少女がなんであたしなんかと!?


叶『だって日和ちゃん可愛いもの♪』


「いやいやいやいやいや!!
そんな……片掘先輩、無茶なお世辞はいらないですって!!」


お世辞にしても絶対可愛くないしっ!!
しかもあの片掘先輩の口から“可愛い”だなんて……なんか逆にそんな無茶なお世辞を言わせてしまってすみませんと謝りたくなる。





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