墜ちた道化師
社会人になって1年目のうるはは、休日になるとバーを巡るようになった。


もともとお酒が好きだったので、ひとりで飲むのも苦ではなかった。


ただ不思議と、いや誰もがそうなのかもしれないが彼女と別れてからは、ひとりで飲めなくなっていた。


この日もバーで何杯か飲み、ホロ酔いになったころには2件目に向かっていた。


「お兄さん、はじめてだからワンセット4,000円でいいよ!」


特に迷いもせず、呼び込みのお兄さんに連れられて店に入った。





『Sunday』それがこのお店の名前だった。
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