墜ちた道化師

2006年10月~2006年12月

4年生になり、周りは就職活動で忙しそうにしていた。

しかし、うるはは、普段と変わらない。特に働いたこともないのに自分にとっていい会社なんて見つかるわけない・・・そう考えていたからだ。


だらだらしながらも、5月には大手のグループ会社の内定が決まった。


もともと大規模な会社には興味がなかったため、まよわず就職活動を終えた。


大学生活を振り返り足りないものがある・・・


「大学生のうちに彼女ほしかったな・・・」


大学期間のうちに好きな人も何人か出来たが、とくにアプローチもせずいつの間にかその子たちには、彼女が出来ていた。


毎日顔を出しているサークルには、女の子も多数所属しいた。


「うるはさーん」

年の割に童顔なうるはは、


「年上にもてそうだね」


っとよく言われたが、実際は年下に好かれることのが多かった。


マイペースでおっとりしたイメージとは裏腹に、実際は行動力も包容力もあったからだ。



親しげそうに、近づいてきたのも今年の春に入学したばかりの1年生、マヤだった。
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