陽だまりの午後 ~れおん・マロン・ポン太 ある1日のお話~
❦それを、人間は『雨』と呼ぶ。 〜れおんの日常〜
ボクには今日、ひとつだけやり残したことがある。
塀の上では、ミチとイチロー、マリネが寝転がっている。
ボクは、塀の上から、いくつか立ち並ぶ赤い物体の上に飛び降りた。
『………なんだよ、れおん。もう帰るのか?』
イチローは眠そうな顔をして尋ねてくる。
『ああ。そろそろ帰らないと、家の人に閉め出されるんでね。』
ボクはすまし顔でそう答えた。
『じゃあ、そろそろアタシも帰ろうかな。その前に、寄るところがあるんだけど』
マリネが起きがけにそう口にした。
『寄るところ?』
ミチが不思議そうに問い返す。
『ええ。そこに住んでいるおばあさんが、今日来たら美味しいクッキーをくれるっていうのよ』
『偶然だね。ボクも、そのおばあさんに呼ばれているんだ。』
右手で毛並みを整えながら、ボクは時折目をつぶりつつそう言った。
『でも、ボクの場合は、クッキーじゃなく、キャットフードというものだけどね。』
『あれは、クッキーじゃないの?』
マリネが、目を丸くして尋ねた。
『ああ。あれはキャットフードと言って、ボクたちのために作ってくれた食べ物さ。』
「あっ、れおん。ごめんね。ちょっと下りてくれる?」
いつの間にか、ここのお店で働くさとみさんが、手に大きな袋を持って立っていた。
「この空き缶入れやペットボトル入れも、ずいぶん汚れちゃったなぁ。また、洗わなきゃね。」
ふたを開くと、きっちり収まっていた袋の端をつまんで、引き上げる。
ガラガラガラと音を立て、その姿があらわになると、ボクはピンとひらめいた。
さとみさんやけんいちくんたちが、毎日のように口にしているジュースというものが入っているらしかった。
『………なるほど。中身がなくなると、この中に入れるのか。』
「なに、れおん?お腹すいちゃった?」
笑顔のさとみさんが、新しい袋を広げながら、そう尋ねてくる。
『いや。ボクは今からそこのおばあさんの家でよばれるから、心配はいらないよ。』
塀の上では、ミチとイチロー、マリネが寝転がっている。
ボクは、塀の上から、いくつか立ち並ぶ赤い物体の上に飛び降りた。
『………なんだよ、れおん。もう帰るのか?』
イチローは眠そうな顔をして尋ねてくる。
『ああ。そろそろ帰らないと、家の人に閉め出されるんでね。』
ボクはすまし顔でそう答えた。
『じゃあ、そろそろアタシも帰ろうかな。その前に、寄るところがあるんだけど』
マリネが起きがけにそう口にした。
『寄るところ?』
ミチが不思議そうに問い返す。
『ええ。そこに住んでいるおばあさんが、今日来たら美味しいクッキーをくれるっていうのよ』
『偶然だね。ボクも、そのおばあさんに呼ばれているんだ。』
右手で毛並みを整えながら、ボクは時折目をつぶりつつそう言った。
『でも、ボクの場合は、クッキーじゃなく、キャットフードというものだけどね。』
『あれは、クッキーじゃないの?』
マリネが、目を丸くして尋ねた。
『ああ。あれはキャットフードと言って、ボクたちのために作ってくれた食べ物さ。』
「あっ、れおん。ごめんね。ちょっと下りてくれる?」
いつの間にか、ここのお店で働くさとみさんが、手に大きな袋を持って立っていた。
「この空き缶入れやペットボトル入れも、ずいぶん汚れちゃったなぁ。また、洗わなきゃね。」
ふたを開くと、きっちり収まっていた袋の端をつまんで、引き上げる。
ガラガラガラと音を立て、その姿があらわになると、ボクはピンとひらめいた。
さとみさんやけんいちくんたちが、毎日のように口にしているジュースというものが入っているらしかった。
『………なるほど。中身がなくなると、この中に入れるのか。』
「なに、れおん?お腹すいちゃった?」
笑顔のさとみさんが、新しい袋を広げながら、そう尋ねてくる。
『いや。ボクは今からそこのおばあさんの家でよばれるから、心配はいらないよ。』