陽だまりの午後 ~れおん・マロン・ポン太 ある1日のお話~
何の歌かはわからない。
だけど、いつも澄んだ声で歌い上げるその歌声が、まるで月夜を歌い上げているかのような、それでいてボクを眠くさせていた。
ウトウトするボクを、詩織さんが撫でながら覗き込む。
゛あれ?れおん、眠いの?もう寝る?゛
ボクは一声鳴いた。
『ボクはいいけど・・・詩織さんがまだ見ているなら、ボクもまだここにいるよ。』
ほとんど目を開けられなくなったボクを見て、詩織さんは笑った。
゛もう寝よっか゛
月夜を後ろ手に、ボクたちの影が大きく伸びていく。
星を見る間もなく、ボクたちはいつもそこで眠りに就く。
あの歌はどんな歌だっけ?
眠りながら、毎日そう思いながら、意識は奪われていった。