陽だまりの午後 ~れおん・マロン・ポン太 ある1日のお話~
外は、もう本格的に雨が降り続いている。
雨を眺めつつ、ボクはおじいさんとおばあさんについて、ずっと考えている。
気付くと、またマリネがそばまで来ていて、相変わらず寝そべっている。
おばあさんが夕食の支度に取りかかっていた。
『―――長雨になりそうね』
ゆったりとした時間の中で、マリネがそう呟いた。
ボクは寝そべりながら、満足げに微笑んだ。
『雨を見ていられるなら、長雨でもいいよ。この瞬間がボクは大好きなんだ。』
マリネは聞いているのかいないのか、じっと雨を眺めていた。
今日の一日が終わる頃には、もう止んでいるだろうか。
止むなら、早く止んでほしい。
だけど、今のこの瞬間は、止んでほしくない。
おばあさんとおじいさんがこれからもきっと長くいられるであろう日々を考えつつ、ボクは静かに目を閉じた―――。