陽だまりの午後 ~れおん・マロン・ポン太 ある1日のお話~
❦長年の思いは、夢となりて。 〜ポン太の願い〜
―――・・・ふぁ~あ。眠い・・・。
―――カタン。
いつもの新聞が届けられる音が聞こえてきた。
―――もう朝か・・・。
―――ピピ。ピピピ。
小鳥の鳴き声で、よりいっそう覚醒に近づいた感じがする。
―――眠れないで何してんだろ、オレ・・・。
嘆きにも似たそんなオレの思いとは裏腹に、ご主人の佑衣はまだまだ深い眠りの底にいる。
最近、ほとんどよく眠れていない。
佑衣の帰りはいつも遅くて、深夜0時を回った頃にようやく帰ってくる。
『ただいまー、ポン太。眠くないの?』
―――眠くないよ、一応ね。遅かったね、今日も。
佑衣が、冷蔵庫からお水の入ったペットボトルを取り出す。
おもむろに飲み始めると、オレはボソリと呟いた。
―――・・・なんかさ、佑衣がいつも遅いから言うんだけど、たまには早く帰ってきてくれない?けっこう、オレも寂しがり屋なんだよね、わかってる?