不機嫌な彼


「…え…あの…先輩?」



先輩はあたしの前の席に座り始めた

しかもこっち向いてるし…

本当に…真っ黒な髪で

奥のほうまで真っ黒は目

すごい…なんか…ひきつけて離れない



「…送る」



「え!?」



「早く終わらせろ」



「え!?」



「いいから」



「でも…ッ」





いやいや…

送ってくれるって…ッ!?




「…早くしろや」



「す、すみませんッ」




めっちゃ怖いし…

ってかそんな怒るなら送ってくれなくても




「まだかかりそうですし…送ってくれなくてもいいですよ…?」






「…いいから」




先輩の低い声が教室に響いた




< 19 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop