不機嫌な彼
「…え…あの…先輩?」
先輩はあたしの前の席に座り始めた
しかもこっち向いてるし…
本当に…真っ黒な髪で
奥のほうまで真っ黒は目
すごい…なんか…ひきつけて離れない
「…送る」
「え!?」
「早く終わらせろ」
「え!?」
「いいから」
「でも…ッ」
いやいや…
送ってくれるって…ッ!?
「…早くしろや」
「す、すみませんッ」
めっちゃ怖いし…
ってかそんな怒るなら送ってくれなくても
「まだかかりそうですし…送ってくれなくてもいいですよ…?」
「…いいから」
先輩の低い声が教室に響いた