不機嫌な彼
「…あれ?1ネンじゃね?」
「本当だぁー」
こそこそと廊下を覗き込む
あたしの後ろで話し声が聞こえた
「ねぇねぇ、やっぱり1ネンでしょー?」
「…」
「ねぇ、聞いてる!?」
突然腕をつかまれて
少しきれたように言われる
「あ、あたしですか…?」
目の前には見るからに悪そうな
赤髪でロン毛が2人
「誰に用事ー?もしかして俺ー?」
いやいやッそんなわけないでしょッ
「黒崎ー明日はちゃんと辞書持ってくるんだぞ」
「…すみません」
「…あ」
少し遠くで先輩の声が聞こえた
…辞書…使った?