不機嫌な彼
「あ、思い出した」
「え」
先輩がいきなり言う
「…あのー…吉岡が課題やってて
俺が待ってたとき…キス…したよね…」
「あー…はい」
「…やっぱり…俺、夢見てたンだよ…
そしたらいきなり吉岡出てきて…」
あんとき先輩はまったく気付いてないと思ってた
誰か他の人と間違えてあたしにキスしたんだと思ってた
でも…違ったんだね…
あたしだったんだね…
「…先輩…好き…」
つながったこの思いは
つながれたこの手にのせて伝わってきた