秘密の生徒会探偵団☆


電車に乗り込んだあたしと陵はそこでやっと呼吸を整えることができた。



「もう一回最初から詳しく説明して。」



息が元に戻ったあたしはそわそわと外をみる陵の腕をつかんだ。



外を見たまま、やがて陵はポツポツと話始めた。




「俺は最初事務室に入って、単刀直入に職員の人に聞いたんだよ。

遠藤さらと遠藤冬香のこと。
そうしたら気前のいい1人の職員の人が過去の住居者のリストを引っ張り出してくれた。

けれど、そこに載ってたのは遠藤さらと遠藤冬香、2人の名前。
でも年齢が明らかに違っていた。

当時そこに入ったばかりの2人の年齢は遠藤さらが3歳、遠藤冬香が10歳。
話によれば遠藤冬香は両親が籍を入れる前にできた子供らしいんだ。」



「ってことはいわゆるできちゃった婚ってこと?」


「いや。父親の方は子供が出来たとたん行方をくらました。
つまり、シングルマザー。
そのあと結婚した相手の間に出来たのが遠藤さら。」




簡潔に物事を進めようと、言葉を選ぶ陵だけど、聞いていくに連れて、厳しい環境の中で2人が生活していたことがわかる。



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