秘密の生徒会探偵団☆
「ごめんなさいね。
気がつけばよかったのだけど……」
口元に手を添えて上品に笑う秋野さらの里親、秋野ようこ。
こいつの化けの皮もいつか剥がしてやる。
「いえ、気づかなかった僕にも責任がありますから。」
「まぁ、よくできたお子さんね。ぜひ、私の息子にしたいわ。
……それじゃ、見つかるまで好きに探してくださいね。」
そういって微笑をたたえた秋野ようこは部屋のドアをしめた。
終始無言だった由比は寂しそうな目でドアを見つめている。
「どうした?事件の真相がドアにでも書いてあったか?」
「バカ。そんなんじゃない。
ただ……あんないい人そうな人が、他人の子供でも自分のように育てた娘をけなしていたなんて……とても思えない。」
「人は見かけによらねーよ。
推理小説でもありがちな展開だ。
優しそうな人間が裏では牙を向いて誰かを憎んでる。
もっとも、あの秋野ようこが犯人だったらの話だけどな。」
そう冗談で流す俺の視界で、由比の眉はさらに八の字に下がった。
「さらちゃんの周りにいるのはみんないい人そうな人ばかり。
裏でやましいことを考えてる人間は、秋野夫妻以外思い浮かばない。
でも、この事件を仕組んだ本当の犯人が別人だったら、あたしは真実を言えるのかな……。」