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異変

~異変~

「おかえり~」

声と同時にリビングのドアから母さんが顔を出した。
そしてその後ろから2人走り出てきて琴菜に抱きついた。

『おかえり~!』

「紫音(しおん)玲音(れおん)もう来てたの?」

琴菜が優しく頭を撫でる。紫苑と玲音は一卵性双生児で、琴菜の弟だ。
2人はもちろんだが、琴菜ともそっくり。
DNAは侮れないということか。

「ついさっきね。琴菜ちゃんはもう平気なの?なにか食べられるものは?なんでも作るよ」

「風邪じゃなくて貧血だけど…」

しっかりつっこむ。

「そうだっけ?じゃあほうれん草とかかな…」

菜月はぶつぶつ言いながら台所に引っこんだ。

手を洗いに洗面所に行こうとしたら、袖を引っ張られた。

「だいちゃん、眠い…」


「先に部屋行くか?」

問いかけに微かに頷いて階段を上っていった。

やっぱりいつもと違う。
どこか違和感を拭えない。
しばらく考えて、理由がわかった。琴菜は自分と目をあわせようとしない。つまり…

「なんか隠して……?」


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