A+α
取り敢えず手を洗い、琴菜の様子を見に、階段を上がった。
部屋に入って見た光景に溜め息をつきたくなる。
「っとに、危機感ねぇのかよ…」
自分のベットの上には布団もかけずに琴菜が寝ていた。
思わず溜め息が漏れる。
「風邪引くって…」
上から布団をかけてやった。
そのままベットの端に座り、ほっぺたをつつく。
全く反応がない。あまり深く眠るタイプではない筈なのに…。
疑問を感じながらもそのまま寝かせておくことにした。
「康兄ぃ遊ぼ~?」
少し開いていたドアから紫苑と玲音が部屋に入って来る。
「…姉ちゃん、風邪?」
玲音が心配そうに聞く。
「違うけど、少し寝かせよう。下に行くか」
2人をつれて部屋を後にした。
暫く居間で2人の宿題を見てやり、そのあと大人しくテレビを見ていた。
「紫苑君、玲音君。ご飯先に食べなよ」
菜月が呼ぶと素直に離れていった。
「はーい♪」
わ、クリームシチューだ!と嬉しそうな声がする。