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「あ~あ…。テスト明けなのにろくにボール触れなかったな?」

康太が支度を終えた時、着替えながら海示がぼやいた。結局1時間ほどしか練習していない。


「自主練してけば?」


バスケ部の部室にはまだ大半の部員が残っていて携帯をいじったり雑誌を読んだりしている。

「監督いないから駄目だろ~?」


「あぁ、そっか…。今日監督なんで途中で帰ったんだ?」


「しっかりしてくれ!テスト採点だろ!?あ゛~お前は余裕かっ?おれ科学やべぇよっ」

さっきは忘れるとか言っていたが、やはり気になるらしい。
海示は制汗剤を撒き散らしながら喚く。

「お前菅ちゃんに遊ばれるぞ~」


想像したら笑いが込み上げてきた。

が、ふと思い出し立ち上がって部員に呼びかける。


「おい!部室そろそろ閉めるから早く帰れ~」

その言葉に返事をし、みんな帰る支度を始めた。


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