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と、そこに
「斎藤~!お前のテスト……」
「げっ!?菅ちゃん……」
ドス黒いオーラを放つ菅野が現れた。
まるでゾンビだ。
「お前どんな点数とったんだ?」
思わず聞く。
ノートを貸したのだ。平均点位は期待していたが…。
「え゛…。わかんない」
「…と、それは置いといて。岡本先生が呼んでるみたいだぞ?」
急に琴菜に話しかけた。
「え…?」
「なんでも、当番日誌がなんちゃら…」
出し忘れか?この幼なじみはどこか抜けている。
「あ!図書室に置いて来ちゃった…」
取りに行かなきゃ!と言って慌てて走って行った。
身軽に走って行く姿はまるで猫のようだ。
「……お~速い速い!まだ続きがあったんだけどな」
菅野が走り去っていく琴菜を見て呟いた。
「続きって?」
「いやぁ…。明日の朝でも良いって?」
「まずそれを先に言えよ」
「スマン!謝っといてくれ…。俺ちょっと用事あってな?」
そう言うと、菅野は職員専用エレベーターの方へ去っていった。