王国ファンタジア【流浪の民】
「! へえ……流れ戦士ですよね」

 ユリエスはベリルの腰にたずさえられた剣を見やる。

「君も面白いものを持っているね」
「!」

 ベリルの視線にドキリとする。少年の腰にはいくつもの『鍵』が下げられていた。

「色々な用途がありそうだ」
「あ~その……」

 戸惑うユリエスからマルタに目を移したベリル。

「処でマルタ」
「なんすか?」

 ベリルはすいと立ち上がると、マルタの背後に回った。

 後ろに気配。視界に無い気配に、マルタは少し緊張した。

“チャラ……”

「うおっと!? なんすかっ?」

 突然、目の前に何かが示される。
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