王国ファンタジア【流浪の民】
「錬金術の精製技術は大した物だ。それをこのまま終らせるのは勿体ない」
「ふむ」
ヒュメル6世はしばらく考えると、グレードたちに目を向けた。
「グレード殿」
「! はい」
グレードに向き直ったヒュメルは、静かな口調で発する。
「貴殿たちに医術に関する全体の統括(とうかつ)を任せたい」
「ええっ!? おっ俺たちがっ?」
バジルは酷く驚き、グレードは目を見開いた。
「オレ……が?」
「君たちなら、信頼出来る」
30年以上前、前王は錬金術にのめり込み死なない兵士を造り上げる事に没頭していた。
前王が死に、それを受け継いでいたのが側近。しかしヒュメル6世はそれに興味は無く、もっと利用出来そうな弟王を仲間に引き込んだ。
「我がうかつだった」
「『灯台もと暗し』ってやつやな」
クラウンが両腕を頭の後ろに回してニヤリと言った。
「ふむ」
ヒュメル6世はしばらく考えると、グレードたちに目を向けた。
「グレード殿」
「! はい」
グレードに向き直ったヒュメルは、静かな口調で発する。
「貴殿たちに医術に関する全体の統括(とうかつ)を任せたい」
「ええっ!? おっ俺たちがっ?」
バジルは酷く驚き、グレードは目を見開いた。
「オレ……が?」
「君たちなら、信頼出来る」
30年以上前、前王は錬金術にのめり込み死なない兵士を造り上げる事に没頭していた。
前王が死に、それを受け継いでいたのが側近。しかしヒュメル6世はそれに興味は無く、もっと利用出来そうな弟王を仲間に引き込んだ。
「我がうかつだった」
「『灯台もと暗し』ってやつやな」
クラウンが両腕を頭の後ろに回してニヤリと言った。