王国ファンタジア【流浪の民】
「あとで土産にマフィンを持って帰るといいい」
「マフィン? それも作ったんすか!?」
マルタが身を乗り出した。
「色々と作らされたよ……」
実はテイシンの友人、パン屋のパスコの工房を借りて菓子類を作ったのだが、見ていたパスコが何かを思いついたらしく材料を大量にベリルに渡して他にも作って欲しい。と言った。
「……」
それを聞いたドルメックが顔をしかめる。
「そういや……パン屋の前を通ったら、変な張り紙がしてあった」
確か『戦士のお菓子置いてます』と書いてあったな……
昨日の夜に工房を借りたはずが、気が付けば明け方近くになっていた。
手際の良いベリルだが、さすがに頼まれた量が尋常では無かったらしい。
“コンコンコン”
「なんやいい匂いやねぇ~」
クラウンがぴょこっと顔を出す。被っていたフードを脱ぐと、手に持っている鞘(さや)を示した。
「これ、出来たから持ってきたんや」
「マフィン? それも作ったんすか!?」
マルタが身を乗り出した。
「色々と作らされたよ……」
実はテイシンの友人、パン屋のパスコの工房を借りて菓子類を作ったのだが、見ていたパスコが何かを思いついたらしく材料を大量にベリルに渡して他にも作って欲しい。と言った。
「……」
それを聞いたドルメックが顔をしかめる。
「そういや……パン屋の前を通ったら、変な張り紙がしてあった」
確か『戦士のお菓子置いてます』と書いてあったな……
昨日の夜に工房を借りたはずが、気が付けば明け方近くになっていた。
手際の良いベリルだが、さすがに頼まれた量が尋常では無かったらしい。
“コンコンコン”
「なんやいい匂いやねぇ~」
クラウンがぴょこっと顔を出す。被っていたフードを脱ぐと、手に持っている鞘(さや)を示した。
「これ、出来たから持ってきたんや」