王国ファンタジア【流浪の民】
 氷炎の民の守護神である<サレンス>

 その依代(よりしろ)であるサレンスは、彼の一部である。

 記憶が戻る時、それは元の体に還る。

<サレンス>を呼び出すのは<導き手>であるレジアス(レジィ)の役目。

ベリルはそれを理解し、彼らに深く関わらない事にした。

「そろそろ失礼するよ」

<サレンス>はそう言って目を閉じた。

「ん?」

 サレンスは目の前にいるベリルにキョトンとした。

「もう1人って?」
「いや、私の勘違いだった」

 ベリルはレジィにウインクして見せた。

「??」

「それよりも。氷炎の民は焔気(えんき)をまとっているため、周りに影響を与えてしまう。と聞いた事があるが」

 別の話題をベリルは振った。

「あ、サレンス様は完璧な制御が出来る唯一の方なんです。僕はまだ子どもなので制御が出来ないから力を封印されています」

「なるほど」
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