王国ファンタジア【流浪の民】
「いいから返せよ! 俺の仲間だっ」
「『仲間』?」
ちらりと青年の右目が見えた。前髪に隠されていた右の目は、深く澄んだ赤色をしている。
「! 宝玉の民か」
「何故それを!?」
十数年前に滅びたとされる幻の民。彼はその唯一の生き残りである。
名をドルメック。25歳の彼は壮絶な仲間の死を10歳足らずの年で目撃した。
彼らには核石と呼ばれる宝石が、1人につき1つ宿っている。
その美しさに魅せられた者たちが、彼らから生きながらにして核石を取り出した。
核石は彼らの命そのもの。取り出されれば死がおとずれる。
そして生きている時にのみ、その輝きは放たれる。
輝きを保つためには……生きながらに取り出す事だ。
ただ1人、生き残ったドルメックは奪われた仲間の核石を集めるため盗賊となった。
68もの核石を集めるのには、それだけの苦しみもある。
国は、彼の力を借りるため王国が持つ核石を人質にして顔も知らない生き残りに打診した。
そしてドルメックはそれに導かれ、憎しみと共にここにいる。
「『仲間』?」
ちらりと青年の右目が見えた。前髪に隠されていた右の目は、深く澄んだ赤色をしている。
「! 宝玉の民か」
「何故それを!?」
十数年前に滅びたとされる幻の民。彼はその唯一の生き残りである。
名をドルメック。25歳の彼は壮絶な仲間の死を10歳足らずの年で目撃した。
彼らには核石と呼ばれる宝石が、1人につき1つ宿っている。
その美しさに魅せられた者たちが、彼らから生きながらにして核石を取り出した。
核石は彼らの命そのもの。取り出されれば死がおとずれる。
そして生きている時にのみ、その輝きは放たれる。
輝きを保つためには……生きながらに取り出す事だ。
ただ1人、生き残ったドルメックは奪われた仲間の核石を集めるため盗賊となった。
68もの核石を集めるのには、それだけの苦しみもある。
国は、彼の力を借りるため王国が持つ核石を人質にして顔も知らない生き残りに打診した。
そしてドルメックはそれに導かれ、憎しみと共にここにいる。