王国ファンタジア【流浪の民】
「ベリルと言ってな、流浪の民だ」
「! 旅をなさる人たちね」
イースの顔が輝いた。腰までの見事な白銀の髪に、水晶のような美しい瞳。
まだ幼さの残る顔立ちには、ベリルに対する期待感が窺(うかが)えた。
ベリルはニコリと笑いかける。
「あなた、おいくつなの?」
「ん? 25だが」
ガイよりも2つ年下なのね。じゃあわたくしと9つ違うのだわ。
なんとなく、そんな計算をしてしまうイース。
「傭兵のお前が少女の護衛かね?」
「ああ」
「わたくしは立派な女性です」
プイ。と、不機嫌にそっぽを向いた。
「これは失礼した」
目を細めて小さく笑顔を返すベリル。
彼女の表情から、セシエル同様に外に出た事が無いのだと気付く。
外の世界への憧れ──その瞳の輝きが、多くの世界を知っているであろうベリルに素直に向けられる。
「! 旅をなさる人たちね」
イースの顔が輝いた。腰までの見事な白銀の髪に、水晶のような美しい瞳。
まだ幼さの残る顔立ちには、ベリルに対する期待感が窺(うかが)えた。
ベリルはニコリと笑いかける。
「あなた、おいくつなの?」
「ん? 25だが」
ガイよりも2つ年下なのね。じゃあわたくしと9つ違うのだわ。
なんとなく、そんな計算をしてしまうイース。
「傭兵のお前が少女の護衛かね?」
「ああ」
「わたくしは立派な女性です」
プイ。と、不機嫌にそっぽを向いた。
「これは失礼した」
目を細めて小さく笑顔を返すベリル。
彼女の表情から、セシエル同様に外に出た事が無いのだと気付く。
外の世界への憧れ──その瞳の輝きが、多くの世界を知っているであろうベリルに素直に向けられる。