王国ファンタジア【氷炎の民】
+ka!na&ta*さんのところの外伝で<癒しの民>グレードさんの治療後
「どうだ。足の具合は」
「すごいですね。全快です」
「そうか、よかったな」
「でも、サレンス様、僕が足を痛めていたなんてよく気づいていましたね」
「いつもより動きが悪かったからな。おまけに、自分では気づいていなかっただろう」
「はい、なんか足が痛いなあとか思ってましたけど」
「まったく、親子そろって、自分の体に無頓着だな」
「サレンス様」
「うん?」
「もしも、あのとき、グレードさんがおられたら、父は助かったでしょうか?」
「どうだろうな。心臓の病気だった。元から持っていた生まれつきのものだったらしいから、彼らのアイボリー・アイであれば事前に察知することは可能だったかもしれないが、だからって養生する奴でもなかったからな。見かけだけはとんでもなく頑丈そうだったし」
「はい」
「天命だったんだろう。もしを言っても仕方がない」
「だけど……」
「そうだ。彼には何かお礼をしたほうがいいな。これからもたびたびお世話になるだろうし」
「サレンス様にしてはまっとうなご意見です」
「お前な……」
「じゃ、お菓子を焼きましょう。僕がちゃんとやりますから、焼くのだけやって下さい」
「焼くだけなのか?」
「何かご不満でも?」
「いや、混ぜるのも楽しそうかな、と」
「だめです。サレンス様が手を出すと、食べられたものじゃなくなるし、片付けも大変です。あっ、火加減は僕が指示しますから。じゃないと絶対、焦がすし」
「わかった。どうせならいっぱい焼くか」
「どうしてです?」
「女の子って、甘いもの好きだからな」
「……、好きにして下さい」
「どうだ。足の具合は」
「すごいですね。全快です」
「そうか、よかったな」
「でも、サレンス様、僕が足を痛めていたなんてよく気づいていましたね」
「いつもより動きが悪かったからな。おまけに、自分では気づいていなかっただろう」
「はい、なんか足が痛いなあとか思ってましたけど」
「まったく、親子そろって、自分の体に無頓着だな」
「サレンス様」
「うん?」
「もしも、あのとき、グレードさんがおられたら、父は助かったでしょうか?」
「どうだろうな。心臓の病気だった。元から持っていた生まれつきのものだったらしいから、彼らのアイボリー・アイであれば事前に察知することは可能だったかもしれないが、だからって養生する奴でもなかったからな。見かけだけはとんでもなく頑丈そうだったし」
「はい」
「天命だったんだろう。もしを言っても仕方がない」
「だけど……」
「そうだ。彼には何かお礼をしたほうがいいな。これからもたびたびお世話になるだろうし」
「サレンス様にしてはまっとうなご意見です」
「お前な……」
「じゃ、お菓子を焼きましょう。僕がちゃんとやりますから、焼くのだけやって下さい」
「焼くだけなのか?」
「何かご不満でも?」
「いや、混ぜるのも楽しそうかな、と」
「だめです。サレンス様が手を出すと、食べられたものじゃなくなるし、片付けも大変です。あっ、火加減は僕が指示しますから。じゃないと絶対、焦がすし」
「わかった。どうせならいっぱい焼くか」
「どうしてです?」
「女の子って、甘いもの好きだからな」
「……、好きにして下さい」