愛の楔



「若っその体で……」

「行くぞ」

「は?っ若?!」


俺は、上着を掴むと炯の制止する声も聞かないで部屋を出た。
動く度に傷はまだ痛むが、今はそんなことに変わってる暇はないのだ。


……なんで、よりによって東組に金を……


「………チッ」


俺は舌打ちしながら、ゾロゾロと何事かと出てきた部下達に指示をする。


「龍様!」


慌てて走ってきた炯は、不思議そうに俺の後ろについた。


「あの女……どういう関係で?」

「………」

「若、分かっているので?これは……」

「分かってる」


もしかしたら、これからある出来事はこちらに不利な状態になるかもしれない。


だが、それ以上に………


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