愛の楔
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それから、2日後。
「若、繁華街での事件ですが」
「あぁ、悪いのはあっちだ。それ相応の処理をしろ」
「分かりました」
俺は車に揺られながら、運転している炯に言う。
手元にある資料を最後まで目を通すと。バサッと資料を閉じる。
「最近、売上が全体的に下がってるな」
「この不景気ですから」
「………困ったものだ」
ゆっくりと車が止まる。
運転席にいた炯はエンジンを止めないですぐにでると、俺の乗っている方のドアを開ける。
俺はそれに合わせて降りる。
すると、目の前には家の玄関までの道に並ぶ男達が目にはいる。
男達は俺を確認すると一斉に頭を下げた。
「お帰りなさいませ若!!」