愛の楔
この屋敷に住んでいるのは俺達だけじゃないから当たり前だが、なんだか何時もより五月蝿い気がする。
賢は、何も言わずいつも通りに襖を開けた。
そして、広がる光景は。
「若っお帰りなさいませ!!」
「………あぁ」
ずらりと並んだ部下達
「遅かったな」
ニヤリと笑う親父
それから、一人一人の前に並ぶ豪華な料理だった。
「………なんだ?誰かの誕生日か」
「違いますよ」
「?」
「今日は、私が作ったの」
にっこりと美空が料理ののった皿を運んできながら答えた。
「美空が……?」
「とりあえず座って」
美空に促され、俺は親父の隣に腰を下ろす。