愛の楔
「学校、行って良いの?」
きょとんとしながら俺を見上げてくる美空に頷く。
「行きたいだろ?」
「そりゃあ……」
頑張っていたし、行きたい。
「明日からまた行けばいい」
「本当に?」
嬉しそうに顔を輝かせる美空。
「ただし、条件がある」
「条件?」
首を傾ける美空。
小動物みたいで頭を撫でたくなるが我慢する。
「二人、お前に護衛をつける」
「護衛?」
どうして?と聞いてくる美空にお前を護るためだ、と言う。
「俺は一緒に通えないからな」
もう少し遅く生まれてきていれば叶ったかもしれないが。
「んー学校行くのに必要ならあたしはいいよ」
「すまないな」
「なんで謝るの?龍さんはあたしのためにしてくれるのに」