愛の楔
本気でそう思って、側に置いてある低い三段の棚の引き出しに手を伸ばそうとすると、嘘だよと澪は笑う。
「………今度言ったら殺す」
「こわー」
ケラケラ笑う澪は怖がってるどころか面白がってる。
「俺がいたら安心だと思うよー?」
澪がいたら、確かに安心だろうが、場所に問題がある。
「逆に危険だと思うが」
「場所によるよ。ね、良いだろ?仕事したい」
キラキラと目を輝かせる澪。
………こいつ、……まぁいい。
「美空に近づかないなら好きにしろ」
「まぢ?」
「美空に近付く奴は排除対象になるが………殺すなよ」