【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
●プロローグ
それは、俺が高校に入学して間もない頃のこと───・・。
「くっそぉ〜!社会の小松め、地球儀が!・・・・こんの地球儀め!」
昼休み明けの5時間目の授業は社会で、学級委員の俺は小松先生に地球儀を用意しておくように言われていたんだけど。
地球儀は社会科準備室の棚の上。
周りには脚立や安定性のある椅子なんかもなく、ヤバいことに昼休みも残り5分を切っていて。
「コレだから高いところの物を取るのは嫌いなんだって!」
刻一刻と迫るタイムリミットと戦いながら、背伸びをしたり跳ねてみたり・・・・そりゃあもう、必死で取ろうと頑張っていたんだ。
俺の身長は男子の中じゃチビサイズ、女子の平均サイズで、悲しいかな160cmに満たない。
中学のときは小学生に間違われ、今は中学生によく間違われる。
私服のときなんかはもっと幼く見えるようで、電車は子ども料金で乗れたりする・・・・きっちり大人料金を払うけど。
そんなわけで、俺のコンプレックスはチビなところ、弱点は高いところの物が取れないってことだ。
ホント情けないけど。
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