【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
ヤバい。
「お疲れしたー!」って言って帰るタイミングが完全に分からなくなってしまった。
それと一緒に、俺が想像していた以上に片想い歴が長いことにもかなりショック・・・・。
『好きでいるくらい俺の自由じゃないっスか!』
それはそうなんだけど。
今もそう思っているけど。
毎日“好き”って言っても、身長なんて関係ないって自分に言い聞かせてみても・・・・。
それだけじゃ先輩の心は動かせないんじゃないかって、このとき感じてしまったんだ。
と、そのとき・・・・。
「あれ? 大ちゃん、まだ帰ってなかったの? 早くしないとバス出ちゃうんじゃない?」
ふとこっちを振り向いた晴奈先輩に見つけられてしまった。
そう言われれば、確かにバスが出るまで時間がない。
急いで用具の片付けを済ませて携帯を見たら、あと15分。
それを逃すと次は1時間半後。
いつもの俺だったら、次のバスまで先輩たちと一緒に男バスの見学くらい普通にするけど。
でも、こんな話を聞いたあとじゃちょっと無理っぽい・・・・。