【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
●私がフラレた理由
小さな頃から大きくて、背の順で並ぶと一番後ろが私の定位置。
中学を卒業する頃には、成長期も手伝ってすでに170cmだった。
そんな私が初めて好きになった男の子・・・・城戸伸吾(キド シンゴ)君。
クラス一の人気者で、太陽みたいな存在で、彼のことを悪く言うような人は1人もいなかった。
小柄で人懐っこい顔の伸吾君は女子の間のアイドルで、もちろん私もその中の1人。
淡い恋心を抱いていた。
当時の私は、自分が大きいことなんて気にしたことはなかった。
それと同時に、自分より小さな伸吾君のことも気にならなかった。
身長なんて関係ない、だって頑張っても縮まないもん・・・・って。
そう思っていたんだ。
だけど。
バレンタインの力を借りて告白した3年の冬───・・。
初めて“背が縮んだらいいのに”って本気で思うことになった。
苦い苦いバレンタインの思い出。
あの日のことは、きっとこの先もずっと忘れられないと思う・・・・。