【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
 
その日、伸吾君のために作ったチョコは、私の胃袋に収まった。

初めて味わう失恋の痛みと一緒に食べたチョコは、涙のしょっぱい味がした・・・・。


でも私は、正直に言ってもらえてよかったと思ったんだ。

変に気を持たせたり曖昧にな言葉ではぐらかされるよりは、きっぱりさっぱりフッてもらったほうがスッキリする。

『伸吾君には好きな子がいる。だったら諦めよう』───そんなふうに割り切ることができるから。

・・・・体育会系な考え方、なのかもしれないけれど。










それから2週間ほどが過ぎ、失恋の痛みも少しずつではあるけど癒えはじめてきた頃───・・。


「河原ってお前のこと好きだったりすんの? 伸吾が告白されてるトコ見た奴から聞いたんだけど、それってマジ情報?」

「マジ情報」


放課後、教室に忘れ物を取りに来た私は、たまたま自分の話が出ているところに遭遇してしまった。

そっとドアの窓から覗くと、伸吾君のほかに数人の友だち。

「嘘だろ!?」とか「マジかよ!?」とか、口々に言っていた。
 

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