【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
「で、どうなの」
友だちの1人が核心に触れる。
教室に入ることもその場を離れることもできなかった私は、廊下でじっと息をひそめた。
「ごめんってフッた」
「うわ〜、もったいねー」
「河原かわいいのに」
「だよなぁ? 実は俺も前から思ってた。優しいし!」
またまた口々に騒ぎだす友だちたちは、嬉しいことに私に対して好感を持ってくれていたようで。
・・・・素直に嬉しかった。
「そりゃお前らはいいよ。河原と同じくらいか、ちょっとデカいんだから。俺は無理」
そんな嬉しさを一瞬で吹き飛ばす伸吾君の一言。
友だちたちが“あ・・・・”と一斉に口を閉じると彼は続けて言った。
「あっちは気にしてないかもしんないけど、こっちは大いに気にするっつーの。だって河原、170cmもあんだぜ? 並んで歩いたら笑いモンじゃん」
「確かに。フツーは逆だな」
「伸吾がかわいそうに見えるかもな。あと15cmでいいよ、河原ちっこくなんねーかな」
「んなの無理だって!」
ギャハハハハ・・・・。